サンキュー・ブッダ 【藤堂 尚夫】

ある講演で、海外布教をなさった方のお話を聴きました。

その方は「南無阿弥陀仏」をどのように英語に訳したらよいか、ずいぶんと思案したそうです。
ある時、寺に集まった子供たちに「南無阿弥陀仏」を英語でなんと言ったらよいかと質問をしたそうです。

その答えが「サンキュー・ブッダ」(仏さま、ありがとう)。

私たちは、漢字ばかりで書かれた「南無阿弥陀仏」を難しいものと思いこんで遠ざけてしまっているのではないでしょうか。
しかし、この話によって「南無阿弥陀仏」はきわめて身近な感謝の言葉であることに気づかされます。
阿弥陀如来は法蔵菩薩と呼ばれていた頃、摂取不捨のお誓いをたてられて仏となられました。
衆生すべてを一人残さず救う仏さまです。
私たちは、どんなにがんばっても煩悩を離れられない凡夫です。
普通ならばこのような私たちを救うとは考えにくいのですが、阿弥陀如来は自ら救うとお誓いになったのです。
このような広大なお慈悲を私たちは感謝せずにはいられない。

その感謝の言葉が「南無阿弥陀仏」なのです。

【執筆者はこちら】

「サンキュー・ブッダ 【藤堂 尚夫】」への4件のフィードバック

  1. 野村さんコメントありがとうございます。
    もちろん、阿弥陀さまへの感謝ということがわかっていれば、「南無阿弥陀仏」が一番いいと思います。
    阿弥陀さまへの感謝ということを伝えたいというのが私の思いで、これを読んだ方が、そこに思いを致していただければ、有り難いと思います。

  2. 仏様の呼び声という観点が抜け落ちると大変危険かと。
    「サンキューブッダ」ではお念仏は「称名報恩」のみになってしまいます。
    約生で語れば報恩ですが、約仏で語れば本願召喚の勅命です。
    阿弥陀様の万徳が具足されているお名号であるからこそ、正定業となるのだという観点を大切にしてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です