夏祭りの思い出。 【高蔵 大樹】

先日、本願寺で、納涼盆踊り大会が催されてました。その日はあまりの暑さにダラーと家で過ごしていたのですが、友人がネットに盆踊りの様子の写真をあげていたので、あー。ダラダラせずにいけばよかったなー。なんて。

10420150_664215993664867_1269347974171164476_n赤いちょうちん、かき氷、人混みに、浴衣にうちわ、線香花火に盆踊り。

さてさて、そういった風景を見ると。思い出されることがあります。

あれはいつかの夏祭り。当時小学生だった私。

的当てゲームの出店がありました。

それは的に二回ボールを投げて出た点数で景品がもらえる、というもので、たしか一回500円くらいだったかしら。

そのお祭りの前、こっそり父か母から、「お祖母ちゃんからよ」と、小学生にはもう、大金も大金である、5000円を渡されていました。その五千円を財布に忍ばせ意気揚々の高蔵少年。

この文章からは想像もできないかもしれませんが。当時の私は非常に頭がいい子でした。おまけに顔がいい。さらに器量もいい。おまけに背も180センチもあって、て、全部うそなんですけど。

計算高き少年は、この五千円は祭りでいっさい使わず、帰って当時ほしかったゲームソフトを買おう。と。思っておりました。

10552447_664215976998202_8181451975736272920_nさて、先程の的当て。景品を見ると、150点より下の景品はその辺で五百円くらいで手にはいるような雑貨ですが、150点以上の景品はなかなか!200点なら当時流行していたデジモン(またもやゲーム)!

三回くらいならやってもゲーム購入するのに支障はありませんでしたのでやってみることにしました。

ドキドキしながら投げた1投目、振りかぶってバシッ!なんとまさかの100点!!これはっっ!!!デジモンっっ!

1投目で百点とれる腕なら、次も百点間違いなし!2投目振りかぶってバシッ!

15点!ガクーーン!

はい、、、これ景品。で、よくわからんキーホルダーを頂きました。

 

僕には百点をとれる腕があるのです。間違いなく!二投目は何かの間違いでしくじっちゃいましたけど。一回目で百点とれるんだから、できないわけがない!

もう一度挑戦、1投目振りかぶってバシッ!90点!なかなか!

2投目振りかぶってバシッ!

15点!

おっちゃんボールに細工してない?!

してないよー。はい、キーホルダー。

白熱してきた、的当てゲーム。

振りかぶってバシッ!80点!

振りかぶってバシッ!30点!

振りかぶってバシ!25点!

振りかぶってバシ!70点!

振りかぶってバシ!

振りかぶってバシ!

バシ!

はい、キーホルダー。

バシ!

はい、キーホルダー。

バシ!

 

よし今度こそ!振りかぶって、、

 

あ、あ、あれ?

お金があらへん!!!

 

残念やったなぼっちゃんまた明日な。

 

欲というのは怖いもので。一度甘い汁を吸ってしまうと、どんどんどんどん膨らんでいくんです。一回百点とったことで歯止めがきかなくなっちゃったんですね。

鍵に縁なんてないのに、じゃらじゃらキーホルダーだらけで家に帰った少年。叱られましたとも。ええ、そらしこたま叱られましたとも。

それからは、出店のおじちゃんが鬼に見えて憎らしくて憎らしくて仕方なかったです。こどもをこんな目にあわせて!僕の五千円!金の亡者!鬼!悪魔!ひとでなし!なんてな具合。

いやぁ。今にしてよくよく思い返せば、欲の鬼、お金の亡者になっちゃってるのは、いつも私の方なのネ。

 

鬼の気配を感じるとき、おそるおそる、ふりかえってみると、、

 

お前だ!

 

ヒェーわたしだった!ガクガクブルブル。

 

それは、鬼の私を鬼にしてはなるものかという、仏様のお慈悲のはたらき。

南無阿弥陀仏。

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