このエントリは『浄土真宗の信心がこんなにわかりやすいわけがない』の著者による自著紹介です。
『浄土真宗の信心がこんなにわかりやすいわけがない』は、わたしも大好きな、言わずと知れた超有名ラノベからいただいたタイトルです。キャッチー?な上に本の内容をきちんと表しているので、案外これは素晴らしいタイトかもしれません。ちなみに執筆当初の仮題は「ご信心をいただく」、ちょっとかためでした。
「浄土真宗の信心とフツウ一般的に言われる信心とは内容がちょっと違っていて、そのちょっとした違いを大事にするのが浄土真宗の伝統としてあったのだけど、現在は浄土真宗の中でもその違いが明確になっていない面があるように思う。そこをもう一度、明確にしてみたい。」
そのように思って書きました。
もともと純文学作家志望(ワナビ)なので、本を出すならきっと小説だろうと思っていました。しかし技量がまっったく伴わないからきっと無理だろうとも思っていました(今も思っています)。それが今回、小説ではなくノンフィクションを電子書籍で発刊することとなり、感無量というか、世の中よくわからないものだなあと思っています。
昔のわたしには、浄土真宗の信心は非常にわかりにくいものでした。また、わたし以外にもわかりにくさを感じている人がたくさんいるように感じられていましたし、今も時折そのように感じることがあります。一方で、今のわたしには、ご信心とは何なのか、その内容は、かなり明確になっています。
この本では、このわかりにくかった/わかりにくい「信心」を、わたしにでき得る限りの言葉を尽くして、わたしなりに明らかにしようと試みました。そして、その試みは一部では完全に成功している……かもしれません。
浄土真宗の中にいるはずだけど、ご信心のいただきかたがわからずに困っている、かつてのわたしのような人に。
浄土真宗とは違う場所にいて、信心なんて知らないし知る必要もないと思っている人に。
別の宗教を実存的に味わっていて、浄土真宗の「信」のあり方も知りたいと思っている人に。
浄土真宗という一つの宗教の、とある宗教経験の一つ、宗教的「回心」の一つのあらわれとして読んでいただければ幸いです。
石田智秀
浄土真宗本願寺派 妙法寺 衆徒 布教使。
1971年生まれ。北海道十勝在住。
マンガ・アニメ・ゲームヲタク(軽度)。稲城和上萌え。読書などの興味は、浄土真宗をはじめとする各宗教、時事系、生命学(森岡正博提唱)、SF、純文学など。
龍谷大学のミニコミ誌『りゅうこく』にブックガイドを書かせてもらったり、Amazonにレビューを投稿したりしています。
お聴聞するのも自分で話すのも、第十八願に基づく絶対他力を中心とするご法話が好きです。妙好人の逸話は奇行ではなく信を得る以前のご苦労話が好きです。ご法話を騙る自慢話や独自解釈、TVや新聞の「情報」を鵜呑みにするだけで事実をふまえない立場から得々と語られる虚言は苦手です。
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